アルマ望遠鏡“勝手に”応援団

■ repo 03 砂漠の中のオアシス



サンペドロ・デ・アタカマはアタカマ砂漠の中のオアシスの街。アタカマ観光の拠点になる街でもあり、小さい街だがホテルや食堂、土産物屋がそろっている。アルマ天文台(電波望遠鏡を含む関連施設)には関係者以外の宿泊施設はないため、取材のために訪れた我々もここにホテルを取って、毎日ここからアルマ天文台に通った(写真クリックで拡大)


峠を越えてようやくたどり着いたサンペドロ・デ・アタカマ。標高は2500mほど。緑が目に優しい。



サンペドロ・デ・アタカマの街にある土産物屋。まあいわゆる観光地の土産物だけに、特筆すべきものはあまりない



なぜか街中にたくさんの犬が。野良犬なのか、誰かに飼われているのかはわからない。どの犬も暑さのせいか、あまり動かない



犬だけでなく、街にはアルパカだかリャマだかもいる。が、こちらは明らかに観光用。一緒に写真を撮ってあげてお金をいただくビジネス?



街のレストランで食べた煮込み料理「ピルピル」。基本的にスペイン系の味付けが多く、日本人の口にも合う。何にでも付くのがジャガイモ

 空港があるカラマから東へ約100km、「ここは月か火星か?」と錯覚しそうな景色を過ぎ長い坂道を下ると、見渡す限り茶系の風景の中に、「森」というにはちょっと恥ずかしいくらいの緑が見えてくる。ちょっとくすんだ緑色ではあるが、砂漠を走ってきただけに何となくほっとする。まさにオアシス。ここがアタカマ観光の中心地であり、アルマ天文台へのゲート&拠点となる、サンペドロ・デ・アタカマだ。
 既に書いたが、カラマからここまでの道は舗装された快適な道だったのに、街に入った途端、未舗装路に。人が歩いても土ぼこりが立ちそうな通りに、「逆じゃないの?」と思ったほど。なんでも、古くからの街の雰囲気を壊さないために、あえて街の中は舗装しないのだそうだ。これじゃ雨が降ったら泥道になって大変、と一瞬思ったが、雨はまず降らない。


山根一眞「雨は降らないけど、ときどき砂嵐があるらしいよ。前も見えない、目も開けられないほどの…」
編集担当S「うわー、それは勘弁して。この滞在中に砂嵐来ないといいですね」
山根「まあ、めったに経験できないことだから見てみたい気もするけど」
編S「そんなこと言ってると、またデジカメの中に砂が入っちゃいますよ?」
山根「それは勘弁して」


 電波望遠鏡が設置された山頂施設と運用・管理部門がある山麓施設からなるアルマ天文台は、関係者以外が宿泊できる施設を持たない。したがって、取材などでアルマを訪問する際はサンペドロ・デ・アタカマに寝泊まりする。建設工事がピークのころには、ここに滞在した工事関係者も多かったらしく、なかなかホテルが取れないということもあったらしい。観光地だけに小さな街にしてはホテルの数が多いので、今はそういうことはないようだ。
 チリはスペイン語なのでこの街も基本的にはスペイン語だが、レストランやホテルでは英語が通じるところも多い。料理もやはりスペイン色が強く、どちらかというと肉料理が主流か。ジャガイモは南米が原産だけに、どの料理にも付いてくる。


山根「一番下の料理の写真、おいしそうだね」
編S「ピルピルといって、オリーブオイルとニンニクでエビとかキノコを煮込んだ料理です」
山根「ニンニクとトウガラシが効いた、スペイン料理のアヒージョみたいなものかな?」
編S「そう。これもピリッと少し辛くておいしかった」
山根「それなら“ピリピリ”じゃないの?」
編S「…」

「アルマ望遠鏡」について詳しくお知りになりたい方は、以下のサイトもご覧ください。

>自然科学研究機構 国立天文台「アルマ望遠鏡」

>ALMA天文台(英文)

>現地報告!構想30年のスーパー望遠鏡「アルマ」がついに動き出す(日経ビジネスONLINE)





『スーパー望遠鏡
    「アルマ」の創造者たち』


著者名:山根一眞
体裁:四六判・並製、296頁
価格:1,620円(税込)
ISBN:978-4-86443-042-5
発行日:2017年7月31日
発行元:日経BPコンサルティング
発売元:日経BPマーケティング

【目次】
序章  嵐の神戸港
第1章 電気仕掛けの望遠鏡
第2章 野辺山のサムライたち
第3章 奪われた花嫁
第4章 魔法工場のデスマッチ
第5章 凧揚げとガンダム
第6章 冷たいラジオの作り方
第7章 天空のセレモニー
終章  奇跡の星、地球

■著者プロフィール
山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家。1947年東京生まれ、獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒。宇宙航空研究開発機構(JAXA)客員、福井県文化顧問、理化学研究所相談役、日本生態系協会理事、3.11支援・大指復興アクション代表。日本の「ものつくり」を広く伝えた『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)は25冊を出版。『小惑星探査機はやぶさの大冒険』(マガジンハウス)は渡辺謙主演で映画化。『日経ビジネスONLINE』で2つの連載コラムをもつ。獨協大学特任教授。日本文藝家協会会員。
■主な著書
『理化学研究所』(講談社ブルーバックス) 2017年、『小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦』(講談社ブルーバックス) 2014年、『メタルカラー烈伝 温暖化クライシス』(小学館) 2006年、『メタルカラー烈伝 鉄』(小学館) 2008年
山根事務所
 http://www.yamane-office.co.jp